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はじめに

FGComが利用しやすくなり、気軽に音声でのやり取りができるようになりました。 これによって編隊飛行や空中給油、グランドハンドリングなどが可能になり、遊びの幅が大幅に広がりました。

しかし、音声チャットで航空管制を受けて飛ぶ、航空交通を管制するのも醍醐味のひとつです。 ここでは航空交通管制の下、フライトを楽しむ方法をご紹介します。

FlightGearや音声チャットソフトFGComの使い方、航空機の取り扱い方は他の文書に譲るとして、管制官とのやり取りの仕方だけにスポットを当ててみたいと思います。 できるだけ現実のものに近づけるつもりでいますが、ソフトウェアの仕様や限界があります(例えば、トランスポンダが使えない、管制官がフルラインナップしない、など)ので、FlightGearに特化させた部分があります。また、実際の航空機の運航には絶対に使わないでください。

それでは、勇気を出して航空管制の世界に一歩踏み出してみましょう。

前提条件

気象について

TOD(Time of Day)は日中でも夜でもかまいません。ただし、風と雲については管制官と航空機間で整合が取れている必要がありますので、Real-Weatherの設定はONにしておきましょう。

滑走路の向きは、風向で決まり、VFRが可能かどうかは概ね視程で判断されます。

フォネティック・コード(欧文通話表)

無線通信は聞き間違いやすく、またそれは重大な事故になりやすいものです。例えば、E(イー)とB(ビー)とP(ピー)、A(エイ)と8(エイト)などです。

そこで無線通信ではそういった聞き取りの間違いをできるだけ防ぐためにアルファベットや数字、ひらがななどを一文字ずつ単語で置き換えることが時々行われます。 これらは日本語で「欧文通話表」、「和文通話表」と呼ばれており、無線通信の世界では重宝しています。

航空無線、陸上無線、船舶無線といった別に独特の用語が割り当てられています。 航空無線でよく使われるのは「欧文通話表」のほうで、「和文通話表」はほとんど耳にする機会はないため覚える必要は特にありません(覚えていると役に立つときはありますが)。

すでに、ICAOフォネティックコードとモールス符号で紹介されていますので、ここでは割愛いたしますが、数字については特に注意をしてください。

数字の9を英語ではNine(ナイン)といいますが、航空無線ではNiner(ナイナー)といいます。ご注意ください。

自分のコールサインは言えるようにしておきましょう(例:JA4030>ジュリエット・アルファ・フォー・ゼロ・スリー・ゼロ)。

VFR(有視界飛行方式)編

さて、難しいことは今は考えず、とにかく飛んでみましょう。間違いを恐れる必要はありません。聞き取れなければ何度でも聞き返してかまいませんので。

それでは、はじめましょう。

Lesson 1!場周経路を飛んでみよう!

場周経路:Traffic Pattern

場周経路はトラフィック・パターンと呼ばれるものです。通常は滑走路を辺の一部に持つ長方形が設定されています。これについてはWikipediaのほうに説明が記載されておりますので参照ください。

場周経路には二種類あります。Left Hand PatternとRight Hand Patternです。右回り、左回りです。これは、航空機の位置、地形、その他地上の都合(騒音・安全など)で決まります。

場周経路の部分で特に重要なのは以下のものです。

以下は他機との間隔を設定するために行われます。

と、いろいろ書きましたが、飛んでいるうちに覚えますのでご安心を。

滑走路の呼び方

ここでは細かい説明は控えますが、滑走路の呼び方について軽く説明いたします。

滑走路には34とか22といった番号が付いています。これ自身は十倍すると概ね滑走路の磁気方位を示しています。4本以上の平行滑走路がある場合はこれは当てはまらないことがありますが……。

さて、この番号の呼び方です。一桁ずつ区切って読むことに注意をしましょう。 Runway 34なら、"Runway Three Four"と読みます。"Thirty Four"ではないですよ!

平行滑走路を持つ飛行場なら"Left, Center, Right"といった単語が後ろに付くこともあります。

タッチアンドゴーをします

今日はタッチアンドゴーをしましょう。 タッチアンドゴーはご存知のとおり一旦滑走路に接地をしたあと、再び出力を上げて離陸をすることです。タッチアンドゴーをしたら再び場周経路に入り、何度も行うことができます。また、そこから場周経路の外にでていくこともできますが、今日はタッチアンドゴーを繰り返すだけ、としましょう。

タッチアンドゴーを一通り終えたら、普通に着陸をして機体を駐機しなければいけません。この着陸のことをタッチアンドゴーと区別して、「フルストップ(Full stop)」と呼びます。

飛行機は?

今日つかう飛行機はCessna 172Pにしましょう。あまりスピードの出る機体ははじめのうちはお勧めしません。

飛行場は羽田!非現実的ですけど

タッチアンドゴーを行う飛行場は羽田としましょう。ICAOコードはRJTTです。 羽田のどこかゲートなりパーキングなりに最初の場所を設定しましょう。

まずは管制官にコンタクト

では思い切って管制官にコンタクトを取りましょう。 言うことの基本は

まず、相手のコールサインです。羽田に管制官がいれば、そのコールサインになります。 今日は羽田の管制塔を呼びますので"Tokyo Tower"になります。

管制官から言われることもある程度予測しておく必要があります。

そうそう、言われた指示は復唱する必要があります。 ここでは

では、いよいよ管制官に声をかけます。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, good afternoon.

管制官からの返事です。

Tower: JA4030, Tokyo Tower, good afternoon, go ahead?

はい、Tokyo Towerです、どうぞ。という内容です。次も定型文です(シミュレータでは)。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, How do you read?

感度はいかがですか?という意味です。

Tower: JA4030, Tokyo Tower. Loud and Clear.

感度良好、ということですね。ではこちらの感度も伝えて、地上滑走許可と出発情報をもらいましょう。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, Roger. Loud and Clear. Request taxi instructions for Touch and Go.

なれないうちはメモをとりましょう。

Tower: JA4030, Tokyo Tower. Wind 330 at 4, QNH 2992. Taxi to Runway 34R. Report when ready for departure.

復唱しましょう。ここで必要なのはQNH、地上滑走許可と滑走路、出発準備ができたら報告する、ということです。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, roger. QNH 2992. Taxt to Runway 34R. Report when ready for departure.

それでは滑走路まで地上滑走していきましょう。気をつけなければいけないのは、"Taxi to runway"は滑走路「手前の停止線」までの許可です。滑走路に入ることができるのは"Line up and wait"や"Cleared for takeoff"の指示です。もちろん、滑走路を横断するときにも許可が要ります("Request cross runway XX" -> "Cleared to cross runway XX")。

離陸許可をもらいましょう

滑走路手前で離陸前のチェックをすべて済まし、あとはスロットルを開くだけという状態にしておきます。おっと、滑走路の向きはあっていますか?反対側に来ていませんか?確認して間違いがなければ、管制官に許可をもらいましょう。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, ready for departure.
Tower: JA4030, Tokyo Tower. Wind calm, Cleared for takeoff Runway 34R. After airborn, enter right pattern.

風が無風になったようです。離陸許可を得たので復唱して離陸しましょう。

Pilot: Cleared for takeoff Runway 34R, Enter Right pattern. JA4030.

このような省略した言い方もあります。コールサインは管制官が省略した言い方をしない限り、こちらも省略した言い方はできません。

例:4030, Tower. Cleared for takeoff runway 34R.
  Cleared for takeoff runway 34R, 4030.

フルスロットルで離陸です!

Climb, Right Hand Pattern, Touch and Go

離陸をし、滑走路末端を1nmほど過ぎたところで右に90度旋回をします。旋回した先にほかの交通がないことを確かめましょう。 滑走路の末端が45度右後ろに見えたらもう一度右に90度旋回をします。 高度は1000ftまで上昇しましょう。

Downwind 中ほどやや手前で管制官にコンタクトをします。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, on downwind. Request Touch and Go.
Tower: JA4030, Tokyo Tower. cleared Touch and Go ,Wind 340 at 1.
Pilot: Tokyo Tower, JA4030, Cleared Touch and Go.

タッチアンドゴーの許可が出ました。この後特に指示のない限りタッチアンドゴーを行って問題ありません。ただし、目視で他の交通を確認することは怠らないようにしましょう。

着陸チェックリストを実施して、タッチアンドゴーをしましょう!

着陸

タッチアンドゴーを数回繰り返し、そろそろ着陸をして戻る時間になりました。 先ほどと同じようにDownwind中ほどやや手前で管制官にコンタクトをします。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, on downwind. Request make full stop.
Tower: JA4030, Tokyo Tower, Cleared to land runway 34R, make full stop.
Pilot: Tokyo Tower, JA4030, Cleared to land runway 34R.

着陸許可がでました。今度は完全に停止します。

着陸をしたらいつまでも滑走路上にいてはいけません。すぐに近くの誘導路に入ります。

Pilot: Tokyo Tower, JA4030, out Runway 34R. Request taxt to spot.
Tower: JA4030, Tokyo Tower, Taxi to spot, good day.
Pilot: Tokyo Tower, JA4030, Roger, taxi to spot, good day.

駐機場までの地上滑走許可がでました。駐機場で飛行機を止め、エンジンをきりましょう。

お疲れ様でした!

Lesson 2!場周経路から離れてみよう!

執筆予定

Lesson 3!管制圏から出てみよう!

執筆予定

Lesson 4!レーダーサービスを受けてみよう!

執筆予定

IFR(計器飛行方式)編

執筆予定



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